昇段制度

武術保存会| Bujutsu Hozonkai

天然理心流には「切紙」「目録」「中極意目録」「免許」と言った階梯があります。
私どもの会では現代武道の昇段審査と違い、一定の基準に達した門弟にはそれぞれの巻物を古式に則って授与するようにしています。

現代では近藤勇先生は「4代目宗家」と書かれていますが当流に宗家などなく(当時は多くの流派も同じだったはずですが)何人もいる「4代目継承者」の一人でした。
現代のように既得権にしがみつく事なく、流派の為にそして天下に役立つ人材の育成の為に自分の道場を開き門弟を育てる事を主旨すれば何ら段位の出し惜しみをする必要もなく、多くの道場が自他共栄していたはずです。

さて私の考えでも技は当然の事として、それに見合った人格者であれば将来的には「免許」まで何人にでも出していく予定です。
系統だけハッキリしていれば惜しいものではないからです。
そうして天然理心流が正しく広まる事を希望しています。

また天然理心流には「一子不伝」の教えがあります。
たとえ親や兄弟であっても勝手には段位を授与出来ないのです。

特殊な例もありますが普通は他の先生に預けてそこで認めてもらう必要があり、後に道場主として門弟を取っている先生方もそれぞれその道を通って免許者となっています。
私個人も当然その教えに従い自分の子供に期待する事も無く、国の内外に関わらず等しく有能な人材を認めていきたいと思います。
コロナ禍が一刻も早く終息し、一人でも多くの「将来の継承者たち」と出会える事を期待しています。